現在の幸希 その2  2003年 9月の記述です 

 

園長先生が月に何度か診察に行ってる N市の市民病院で脳のMRIを撮る事になった。というのは生まれてから脳の画像を
写していなかった。1歳の時にCTを撮ったきりで、その時には なんの異常もない…だったので 少し胸騒ぎがした…。

行ってCTを撮ってもらい、フィルムを借りてきて、園長先生からそれ見ながら説明を受けて 驚いた現実があった…

透明中核という部分に水が溜まっているらしい…
水が溜まるって…水頭症なの?  その 水が 減っていくといいのだけど… 残念ながらそういう事は殆どないらしい。

今後 どうしたらいいのか、どうなるのか…? というと もっと成長して水が増えたとしたら「シャント手術」と言って
脳の水が溜まっている所にに管を刺し、耳の後ろの方からお腹まで管を下ろし水を流すような、なんとも 聞くだけでも
怖いような話を聞いた。 早期に解決したければ 今、内視鏡を入れて、穴をぷちっとあけて、水の通り道を作る・・・

簡単に言うけれど、頭に針などを突き刺すわけで… どうしたらいいのか…。私たちの答えは、「今は触らない」にした。

正直、園長先生から 結果を聞いたあと、平和な昼休みのクラスで 泣いてしまった。他の母達がとても優しかったので 
よけいに泣けた。夫が週明けから また長期で出張だったから、夕方に再度、夫と園長先生の所に今後の話も聞きに行った。

いったい いつからそんなことになっていたのだろう。何せ今までのデーターがないし、検査をしていないからわからない。

園長先生の勧めで、大阪でも指折りの大きな病院の小児脳神経外科のある病院で診察を受けた。夫が出発する日に予約が取れた。

でも、その病院でも同じ診断だった。病院に行って診察を 受けたその足で、夫を伊丹空港まで 送っていった。また少し
しんどくなってしまった・・・・・ようやく 前向きに歩み始めた所だったのに・・・・。 と、同時に むしょうに腹が立ってきた。


幸希が生まれた時、診て貰ってた先生は 転勤で遠くの病院になったのでそれっきりになってしまった。せっかくああして
助けて頂いたけど障害が残っている…それも言いづらかった。引継ぎの先生も居たのだけれど、検診ではどうにもならないし…

母子入園の病院では脳の検査までは行わないし…。ただ、前の療育園でも 脳波や、MRIを撮影していない事は、気になっていたから
それを 当時の園長先生に、相談をしていたのではあるが…。園長先生は、優しいおじいちゃんの先生で、スキだったけれど、
専門はアレルギー。 とても脳性麻痺などに精通はされていなかった。「元気で発作もないし、必要ないんじゃない?」という事で 
終わってしまっていた。  「心配性だなぁ 幸ちゃんのお母さんは」 と 笑われて、でも私の予感も当たってたじゃないか。

その上、生まれてこのかたの、頭囲のデーターがあったら持参するように言われたので尋ねてみたところ…直近の2個のデーターしか
ありませんということだった。 確か、通園を始めてから1歳から毎月、身長や体重、頭位って計っていたのだけど…その数字は、
どこへ行ったの?  「そうなんだけど、ないんです」って・・・・どういう事なんだろう。もう退園したら教えてくれないということ?

いったいどうなっているのか… 今の療育園では、先生方は皆、今回の件…「幸希の頭に水が溜まっているという事実がわかって、
お母さんはけっこうショックを受けている」 ということはご存知だった。 さりげなくPTの先生に尋ねたら、そういう、アナ
ウンスがあったそうだった… 生活上の留意点もあるかもしれないし、急に体調の変化があった時、関連して対応ができるだろうと。

今後は経過観察。水が増えたら普通は「頭が痛い」と言うが、伝えられないので気をつけておく。 定期的にCTをとって水の
様子を観察しておく。 半年後の5歳の誕生日にまたCTを撮ることになった。 話を聞きつけて、療育園で違うクラスのKさん
というステキなママがわざわざ電話を下さった… 未熟児で生まれた子には けっこう多く見られるらしく水が溜まる子って多い
のよ…とのこと。 あの子もあの子もそうだし、うちの子も… と。 みんな重病…という感じではなく、少しほっととした。

シャント手術自体も、そんなに難しい手術じゃなくてなくて20分位よ、なんてったってうちの子もやったしね!心配しないでね!…と…。

なんだか悲しい現実がまた増えた! と 思ったけれど、みんなのお気遣いに本当に助けられた。 結局、この症状は、横浜に来て
大きな 障害児のこども専門病院でフォローを続けたが、1年位で 「end stage」 悪化はしないだろう と診断がおりた…。

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