幸希の誕生・・・というか出生 


    手 術 室 で  

手術室は テレビで見るより もっと近代的で・・・しかも クラシック音楽が流れていた。ほぼ 裸んぼうで
寝転がっているので とても寒かった… 産科の先生が3人で執刀。ある先生が 「緊急オペって ワクワク
するなぁ〜」と言って バレエのような踊りをした。ホンネか?励ましか? 私の緊張を 取る為か?どれも
本当だと思う。局部麻酔での手術だった。背骨の注射はとっても痛い。いつ 「メス!」って言うのかな・・・?

Dr.「これって感じます?」私 「ウーンとね…」 「じゃ、これは?冷たいですか?」 「感じません」…
こういうやりとりがあったけどもう切っていた。『手術中』っていう赤い電気はないし、ライトも丸くない…

「赤ちゃんの泣き声をしっかり聞いとかな あかん!」と それだけは ずっと 思っていた。泣くという事は 
元気なんだ… とヘンに確信していた。← 泣くにも色々あるわけで、1人目と2人目では全然違ったけど…。

「赤ちゃんが出ます!」← 「出してるんやん・・・・」と冷静に思った。「うわぁぁぁ〜〜 こりゃ小さいぞ!」

「ほらっ  早くっ !!」「早く包んで!」「エレベーター呼んで!!」 不安なやりとりだった…苦笑

「ふえーん・・・」  そんな 消え入るような弱々しい声だった。

「よかった…ちゃんと泣いたから 元気に生きてるよね」と 安心したら ものすごくしんどくなってきた。

「イ・イタイ!」 痛いじゃないか…!!  

色んなところが痛くなった。お腹も痛い。お股も痛い。麻酔してるから痛くないはずです、と言うけど。その後眠った…。
赤ちゃんは1500gをはるかに下回って、この病院では始まって以来の未熟児でなんとたったの1072gしかなかった。 

・・・  この後は 夫によく 聞かされる話  ・・・

↓ 出生時の幸希。大きな画像で見ると怖いので 小さめで失礼します。  

 2週間後の手足 この画像の比率が本物と1:1 かどうかはわかりません…


   



     パ パ と 幸 希 の 初 対 面  


夫は母と手術が終わるのを待っていた。「手術は一時間程で 赤ちゃんのほうが先に来ます。」という事で 彼ら2人は 
産科の 詰め所の前の ロビーで 待っていた。ところが 先に来るべく 赤ちゃんは、ちっとも来ない・・・・そのうちに
血らしきものを 服につけた看護婦さんが(怖) 詰め所に戻ってきたのが見えた。みんなが 「ね、どぉ? どぉ?」
ってな感じで 集まって来て、その看護婦さんに色々と聞いている。看護婦さんは 「ん〜〜〜・・・・」ってな感じで 首を
横にかしげて話しをみんなにし続けていたらしい。 それを見て 夫は「あかんかったのかな・・・」と思ったんだそう。

物陰]]  ゜艸゜)  ジ ィ 〜 … 


     浮 か ん だ 名 前 は   


その時、夫は「赤ちゃんは どこのお墓に入れてやったらいいのか?名前もないまま お墓に入れるのは可愛そうだ。」
そして「幸希」という名前が浮かんだ・・・と言う。以前から、子供には 夫の名前から「希」の字をあげる事にしていた。
例えば、男の子だったら 「大希」 とか 「祐希」とか 「一希」とか 女の子だったら 「美希」とか 「沙希」とか…。

でも 「 幸 希 」という名前は 私たちの中では 話にも 浮かんでこなかった名前だった。

そんなこんなで 小児科の先生が 母と夫を呼んで、ガラス越に見える未熟児室で 保育器に入った幸希を見せてくれた。

「最善は尽くしましたが、今晩 もつかどうかはわかりません」と 開口一番…。

「エエッ???」   ビックリしたでしょうね… そんなことを言われて。

幸希は たったの 1072gで、皮膚の色は 赤紫色で、ぶよぶよで、ゼリーのような、手羽先のような そんな小さな子が
口から肺まで呼吸器を突っ込まれて、その管が、抜けないように 顔面に テープを ベタベタとはられ 点滴の管だらけ。

胸は、呼吸器が入れる空気の一定のリズムで膨らんだり萎んだり・・・そんな姿で 見る影もなく、夫は言葉もなく、泣けて
しまったらしく先生も 慰めようがないという感じで 絶望感が漂っていて誰も何も言わなかった…というか言葉がなかった。

母だけが 先生に「なんとか、お願いします」と気丈に言ってくれていたそうだ。ありがとう 母…

でも、先生は、もう一度、「最善は尽くしました」と 頭を下げて 出て行っただけだったらしい。← 言われると辛いだろな〜  

入院から4日後の 12月1日 午後7時28分 妊娠 28週で幸希は生まれた・・・・

体重 1072g 身長 36cm 頭囲 26cm 胸囲 23cm 

緊急帝王切開 仮死 〜 蘇生 ←死んでたって事かな…   アプガー指数 6/7








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